順天堂大学 男子ハンドボール部「1点の重み」
昨年、1部昇格を賭けた秋季リーグ入替戦で明治大学に1点差で敗れ、その後の全日本インカレでも朝日大学に1点差で敗れ、ベスト8を逃した順天堂大学。今シーズンからキャプテンに就任した野口剛選手(4年、浦和学院)に「1点の重み」と「創部60周年にかける想い」を聞いた。
ー今シーズンからキャプテンに就任されましたがいかがですか?
八田さん(現・駿台甲府高校ハンドボール部監督)、寄さん(現・順天堂大学ハンドボール部コーチ)の代からずっと「応援してもらえるチーム」で、それを受け継いでいきたいというのがキャプテンとしてのテーマですね。
ーキャプテンとしての難しさはありますか?
チーム全体のモチベーションを上げることが難しいですね。1人1人とコミュニケーションが取れれば可能だとは思うんですが、現実的に難しくて。やはりチーム全体のモチベーションを一気に上げるとしたら、上級生から変えていく必要があると思っています。
大変な部分はありますけど、副キャプテンの林(4年、江戸川)、勝又(4年、駒込)と役割を分担してやっています。
ー冬はどのようなトレーニングされていましたか?
目標数字をしっかりと設定して、身体作り中心のトレーニングを行っていました。最近話題のタバタ・トレーニング等、新しいメニューを組んだりして。
あとは走り込みですね。やっぱり疲れてくると足が動かなくなるじゃないですか。「走りのチーム」なのでそこは徹底的に鍛えました。
ー今シーズンのチームのコンセプトは何ですか?
コンセプトは去年とあまり変わっていないんですけど、「走り勝つこと」と「ディフェンスの安定」です。ディフェンスに関しては受け身ではなくて、自分達から仕掛けてボールを取りに行くことを目指しています。
オフェンスも昨シーズンはある程度自由にやっていたんですが、今シーズンからはしっかりと約束事を決めて細かい部分まで詰めています。
ー先日の愛知合宿や練習試合を通して見えた課題はありますか?
1人1人のコンディション、モチベーションの上げ方が全体的にまだまだだなって感じています。
試合が近くなったら上がっていくとは思うんですが、もっと1試合に対してストイックになっていく必要があると思っています。
ー今シーズンは2部からのスタートですが、意識しているチームはありますか?
昨年の秋季リーグで敗れた中央大学です。そこに勝たないと1部は見えてこないと思います。
ー今シーズンのキーパーソンは誰ですか?
上村(3年、熊本マリスト)と古屋(2年、駿台甲府)に期待したいです。
この2人には点を取ることはもちろんですが、活気を作ってチームを引っ張っていって欲しいです。
ー昨シーズン、オフェンスは佐藤選手(3年、駿台甲府)頼みの部分があったと思いますが。
やはり今シーズンもオフェンスの中心は佐藤(写真中央)になると思います。
佐藤にはただ点を取るだけではなく、自分のマークが厚くなった状況でいかに上村(写真左)と古屋(写真右)を生かせるか、そこを期待したいです。
ー昨シーズンは1点差で敗れることが多かったと思います。
昨年は「1点の重み」を感じたシーズンでした。
客観的に見れば、たかが「1点差」かもしれないんですが、僕達からするとその「1点」というのが結構大きくて。その「1点」をどうやって埋めていくかを考えてずっと練習をしてきました。
ー最後に春季リーグの目標をお願いします。
まずは「東日本インカレ」の切符を獲得すること。そして、入れ替え戦に勝って1部に昇格することです。
今年は創部60周年ということで順天堂大学と言えば「このシーズンだよね」と言ってもらえるように、しっかりと結果を残したいです。
●インタビューを終えて
野口選手が語った1点の重み。そこには経験をした人にしか分からないものがあった。
創部60周年。
昨年からまた一つ大きくなった順天堂大学男子ハンドボール部に期待したい。