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藤本純季(トヨタ車体)公式コラム「ふじもん日記」|【第5話】「ふじもん’sハンドボール~シュートだけじゃない‼ウイングプレーヤーの重要な役割~」


さて今回は『ふじもん’sハンドボール』第三弾!
今回のテーマは『シュートだけじゃない‼ウイングプレーヤーの重要な役割』です。

ウイングプレーヤーの役割として1番重要なこと。
それは味方が作ってくれた、プラスワンの状態でのサイドシュートを高確率で決めるということです。また角度が狭いところからサイドシュートを決めてチームを助けることも重要な役割の1つです。
そしてこのようなシュート局面だけではなく、ウイングプレーヤーがチームの勝利に貢献する方法はOF・DF共にいくつかあります。その中でも私自身がとても重点をおいてプレーしている局面が2点あります。

それが『速攻へのスタート局面』『サイドDFとの1対1の局面』です。
これまでこのような言葉を聞いたことがある方は大勢いらっしゃると思います。今回もあくまで僕自身の見解ですが、この2点の局面で特にどのようなことを意識しながらプレーしているのかを解説します。

その判断が勝敗を分ける‼速攻へのスタート局面


まず今回は『速攻へのスタート局面』について説明します。

この局面を細かく分けると、

①DF
②リバウンドボールの判断
③スタート
④速攻

の4つの局面になります。

この中で私が1番大切にしているのが、「リバウンドボールの判断」です。
ハンドボール経験者なら1度は聞いたことがあると思いますが、リバウンドボールやルーズボールをマイボールにするのは、DFを1回守りきったことと同じ価値があるということ。 特にGKがセーブしたシュートのリバウンドボールをマイボールにできるかできないかで試合の局面を変えることがしばしばあります。

『速攻へのスタート』において、自分のマークより早くスタートをきるということは大切なポイントですが、そこを意識し過ぎて相手がシュート体勢に入った瞬間にスタートし、リバウンドボールが自分のマークしていた選手に取られ相手ボールになってしまっては本末転倒です。
特にサイドDF(1枚目)には、GKがセーブしたボールやゴールポストに当たったボールが転がってくる確率が他のポジションに比べて高いです。まずは自分のマークにリバウンドボールを絶対に取らせないこと。これが『速攻へのスタート局面』においてまず意識しておかなければならない大切なポイントだと考えています。

そして次にスタート局面です。この局面においては、とにかく自分のマークより早くスタートをきること、そしてマークを振り切ることが大切になります。しかし先程述べたように、リバウンドボールを相手に取られていては意味がありません。かと言って毎回マイボールになったことを確認してスタートをしていては1次速攻(ワンマン速攻)で得点する確率が下がってしまいます。

この局面で重要なポイントは、マイボールになるという判断を出来るだけ早くしてスタートをきることであり、その判断スピードの早さが得点に直結すると考えています。この判断スピードを上げるためには相手のプレーやシュートコースなど様々な判断基準の中から、自分の方にリバウンドボールが飛んでくる確率がどれくらいかを普段のトレーニングから考え、取り組んでおく必要があります。

左側の1枚目DFにいると仮定していくつか例をあげてみましょう。
例えば レフトバックのポジションから相手がディスタンスシュート(ロングシュート)を打ったとします。その時、自分の方向にリバウンドボールが飛んでくる確率が1番高くなるのは流し方向(遠目)のシュートを打った場合になります。GKがセーブして弾いたにせよ、ゴールポストにあたって跳ね返ったにせよ、方向的にも1番確率が高くなるのは想像できると思います。

反対に同じポジションから引っ張り方向(近目)にシュートを打った場合、これは当然自分のところにリバウンドボールが返ってくる確率が大幅に下がります。もちろん可能性はゼロではないのですが、私の場合だとスタートをきる準備をして少し飛び出します。そしてそのまま全力でダッシュをするのか、すぐに戻ってDFの準備をするのかはその後のボールの行方によって変わります。ディスタンスシュート(ロングシュート)であればどのポジションからのシュートでもだいたい同じ判断基準になります。

日々のトレーニングでイメージする


次にサイドシュートです。
サイドシュートにおいては、自分側の場合も逆側からの場合もすぐにスタートはしません。なぜならリバウンドボールが飛んでくる確率が他のポジションに比べると極めて高いからです。しかし自分側からサイドシュートが打たれGKがセーブしマイボールになった場合、サイドシュートを打った本来自分をマークする選手の戻りが少し遅くなります。このチャンスを逃さないようにすることも意識しなければいけません。

次に1次速攻(ワンマン速攻)につながる確率が高いプレー。
それがポストパスになります。もちろん相手がポストパスを出す際のDFの状況にもよりますが、完全にパスを通されそうな場合はスタートしません。 すぐにリバウンドボールを取る準備をします。

次にDFがカット出来そうな場合やミスが発生しそうな場合です。
この「相手のミスにつながりそうだなぁ」という感じは、経験や選手自身の嗅覚的な部分にもなるので、自チームのデイフェンス力がどれぐらいのもので、このプレーはミスにつながるのか。それとも相手のプレーが完成してしまうのか。このあたりの判断に関しては、日々のトレーニングから繰り返しイメージしながらやっていくしかないと思います。この判断が早くなるだけで、速攻に飛び出すスピードは格段に早くなります。

1次速攻(ワンマン速攻)は1枚目DFを守るウイングプレーヤーの重要なプレーの1つです。その確率を上げる為には、上記のようなことはもちろん、自分が走るコースやキーパーとのコンビネーション、他にも様々なテクニックが必要になります。今回を機に是非、『速攻の飛び出し局面』について深く考えてみてください。

まとめ

最後にまとめです。

①『リバウンドボールは必ずマイボールにしよう
毎回マイボールにすることは難しいと思いますが、速攻の為にここがおろそかになってはいけません。絶対にリバウンドボールはマイボールにするんだという強い気持ちを常にもってDFに臨んでください。

②『0.1秒でも早い判断を、その判断がチームを救う
どの場合だと自分の方にボールが返ってくるのか、どの状況だと自分はスタートをきって良いのか。今回私が説明したのはあくまで一例です。自分なりに考えて、0.1秒でも早い速攻のスタートが出来るよう、日々のトレーニングから意識して取り組んでください。

③『その1回を信じて走り続けよう
最後になりますが、これまで書いてきたことを意識して最高のスタートをきっても、全力ダッシュを何回してもパスが来ないことはもちろんあります。
しかし絶対に走り続けましょう。それが速攻における大前提です。チャンスは絶対にまわってきます。その1回を信じて必ず走り続けましょう。

以上、第5回コラム『シュートだけじゃない‼ウイングプレーヤーの重要な役割①-速攻へのスタート-』でした。
少しはみなさんに役立つ情報を発信できたでしょうか?感想や質問・要望がありましたらSNS等でご連絡ください!

ということで今回はここまで。
次回の第6回コラム『シュートだけじゃない‼ウイングプレーヤーの重要な役割②-サイドDFとの1:1編-』をお楽しみに!
それでは。

試合日程
日時:8/26(土)  14:00~  vs トヨタ紡織九州
会場:愛知 ウィングアリーナ刈谷   

日時:9/3(日)  13:00~ vs 北陸電力 
会場:福井 北陸電力福井体育館フレア 

日時:9/10(日)  13:00~ vs トヨタ自動車東日本
会場:石川 小松総合体育館東日本    

日時:9/23(土)  15:30~ vs 大崎電気  
会場:三重 員弁運動公園体育館

日時:9/24(日) 15:30~ vs 琉球コラソン    
会場:三重 員弁運動公園体育館

日時:9/30(土)  13:00~ vs 豊田合成  
会場:愛知 ウィングアリーナ刈谷

《藤本純季選手》
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【第1話】僕のハンドボールヒストリー~中学・高校編~
【第2話】僕のハンドボールヒストリー~大学編~
【第3話】ふじもん’sハンドボール~前編~
【第4話】ふじもん’sハンドボール~後編~

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