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【インターハイ直前インタビュー】法政大学第二高校男子ハンドボール部|阿部直人「変わった自分と変わらない伝統」


明日から開幕するインターハイ。今春、全国選抜大会を制した法政二高男子ハンドボール部が今シーズン2冠目に挑戦する。
インターハイ開幕直前に阿部直人監督にお話を伺いました。

楽しんでいる人が一番強い

−練習を見学させて頂きましたが、イメージと全く違いました。もっとピリピリした雰囲気で練習しているかと思っていました。

昔の軍隊式みたいな感じですか?(笑)

−大変失礼ながらそう思っていました。先程、キャプテンの藤田選手にも話を伺いましたが、「いつも楽しみながら練習しています」と仰っていました。

今はずっとこんな感じですね。
やっぱりスポーツは楽しんでいる人が一番強いんですよ。もちろん一生懸命やらなきゃいけないですが。
手を抜いている人は一生懸命やっている人には絶対勝てないです。ただ一生懸命やっている人は楽しんでいる人には勝てないんです。
真面目に、一生懸命、鍛えながらやっているチームって多いじゃないですか。そういうチームって自由奔放にやっているチームにたまに負けたりするんですよね。
一生懸命やっていても「真剣」なら良いんだけど、それが「深刻」になっちゃうパターンが結構多くて。
みんな真面目なんだけど、深刻になっちゃうとなかなか勝てないですよね。

−阿部先生は人間教育にも力を入れているとお伺いしました。「人材ミーティング」をよく開かれるそうですね。具体的にはどういったことを話すのですか。

ハンドボール以外の話がほとんどです。
長い人生、充実するためにはこういう人間にならないとダメなんだよとか、こういう考えを持った人が成果を上げ続けているんだよ、と。スポーツ選手だけではなく、ビジネスパーソンや昔の偉人も題材にして話します。

−この「人材ミーティング」はどれくらいの頻度で行っているのですか。

練習との兼ね合いもあるので頻繁にはできないですが、今年の選抜大会関東予選決勝で昭和学院高校(千葉県)に負けた後は頻繁に開いていましたね。
「人材ミーティング」ができない時はコラムを書いて選手に送っています。他にも試合やフォーメーション動画、大会が近いとナイスプレー集を編集しモチベーション動画を作成して全員で共有しています。
全国選抜大会中はポジティブになるコラムを毎日書いて共有していました。「100%ポジティブ作戦」です。(笑)

変わらない伝統

阿部直人(法政第二高校男子ハンドボール部監督) 1973年生まれ、大阪府出身
南生田中学校-多摩高校-早稲田大学-三景(休部)
1997年に法政二校に赴任、1999年より現職

−次に法政二高伝統の「スローガン」と「DFシステム」についてお伺いしたいです。スローガンの「ALIVE」にはどういう意味が込められているのですか。

このスローガンを使い始めたのは2006年頃からです。キッカケは当時、ラグビーのサントリーで監督をしていた清宮克幸さん(現ヤマハ発動機ジュビロ監督)がこの「ALIVE」という言葉を使っていて、知人に清宮さんを紹介してもらい、「ウチでもこのスローガンを使って良いですか?」と許可をもらいました。そこからはずっと使っていますね。
「疲れても、劣勢になっても60分間生き続けるんだ!」という意味を込めています。コートに立っている選手だけでなく、応援している選手も、全員がチームの為にALIVEし続けることが大切です。

−次は「DFシステム」についてお伺いします。伝統の4:2DFになったキッカケは何だったのでしょうか。

最初は6:0DFだったんです。ただ10年前のハンドボールって両バックプレーヤーから攻める確率がすごく高かったんですよ。なので、2枚目DFに「両バックプレーヤーにもっと嫌がらせをしよう」と言っていたら、ものすごい運動量が多い選手とかも出てきて、結果的に2枚目DFが高くなる今のような感じになりました。ベースは6:0DFなのでフィニッシュの時は一線になっているんですよね。
年によっては3:2:1DFをやってみるんですが、最終的に4:2DFに戻るんですよね。

−法政二高は昔からスペシャリストがいるチームという印象があります。キャプテンの藤田選手も「役目役割がしっかりしています」と仰っていました。

スポーツでも社会でもそうだけど、長所でしか最大の成果は上げられないと思っていて、自分の苦手なところで勝負したらダメだと。自分の苦手なところを伸ばして平均にもっていくのではなくて、長所をもっと前面に出して伸ばそうと。
OFが得意でDFは苦手な選手には「DFでは最低限のことをやって、OFでしっかりと成果を出せ」と言っています。
全国大会ベスト8以上になったら、短所を平均レベルにもっていっても勝つことは難しいです。それよりも長所をもっと伸ばして戦った方のが勝つ可能性が高くなると思っています。

尊敬される人間になる

全国選抜大会では得点王に輝いたキャプテンの藤田選手
大畠選手らと共にオフェンスを引っ張る

−指導の際に気をつけていることはありますか。

「無駄に怒らない、無駄に追い込まない」ということですね。
昔は無駄に怒っていたので、アプローチを変えた当初は大変でした。ただ、アプローチを変えてからの方が勝率は良いんですよね。

−OBの方が練習に来たら驚きますね。

そうですね、結構驚くと思います。
試合中に相手ベンチで怒っている監督を見ると「昔は俺もこんな感じだったのか…」って、すごく気になるようになりました。
練習ではポジティブな声かけをして、ネガティブなことは言わないようにしています。

選手って良いプレーをして、褒められると自信がつくんですよね。大人でもそうなんですが、人間の一番自信がつくタイミングは尊敬している人からの承認だと思うんです。なので、まずは自分が尊敬される人間になること、そして、褒める時にはちゃんと褒める、この2つポイントを意識しています。

−昨年のインターハイ神奈川予選決勝で創学館高校に負けてから何か変えたことはありますか。

大きく変えたことはないですが、長い期間でチームを作れたのは大きかったです。時間があったので細かい部分までフォローできたことが今春の全国選抜大会の結果に繋がりました。

−全国選抜大会では優勝候補に名前が挙がっていましたがプレッシャーはありませんでしたか。

2月の選抜大会関東予選決勝で昭和学院高校(千葉県)にボロ負けしてそれは無くなりましたね。逆にチャレンジャーとして攻めなければいけないと。あの試合で勝っていたら、全国選抜大会では他のチームからのマークが厳しくなって守りに入っていたかもしれないですね。

−全国選抜大会では後半開始から一気に畳み掛け、引き離すという展開が多かった印象があります。試合のハーフタイムではどのような声かけをしてらっしゃいますか。

「やるべきことを徹底しろ、それだけに集中しろ」とだけ伝えていますね。
後半で引き離せたのはDF陣の頑張りが大きいですね。前半のジャブが効いて、後半は相手のバックプレーヤー陣のシュートが入らなくなる展開が多かったです。例えば、氷見高校(富山県)戦の前半は安平選手にかなり得点を許してしまいましたが、後半は2点しか取られていないんですよね。
インターハイではそういった部分を観て欲しいですね。

−最後にインターハイに向けて抱負をお願いします。

全国選抜大会の時もそうだったんですが、目の前の試合に勝っていくだけです。ただそれを繰り返すだけですね。

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